リフォームとSDGs目標3全ての人に健康と福祉をとは
現代社会において健康な生活があるからこそ、私たちは家族との満たされた時間やスポーツを楽しんだり、仕事に打ち込んだりといったことが出来、それを支える福祉の充実によって心も体も満たされた豊かな社会を実感できるのです。
これを読んでいる皆さんは健康な状態というと、どんなことを思い浮かべるでしょうか?
- 病気にかかってないこと
- ケガをしていないこと
家の本来一番求められなくてはいけない要素は、安全安心健康的なつくりではないでしょうか。健康的な家づくりに絞って考えてみます。
一番目に建物に使用している材料に注目してみます。イメージ的にも自然素材を使用する。とすぐに浮かぶのではないでしょぅか。構造躯体柱梁に無垢の木材を使用する。揮発性有害物質のない建材をつかう。木造で無垢の木柱を使用して、無垢のフローリング、漆喰などの塗り壁で仕上げると自然にそう思えるはずです。
これって古くから伝わる日本住宅の様式そのものです。終戦後急速に建材メーカーの新建材での家づくりが氾濫したために、むしろ日本古来の家づくりは高上りになってしまい一般の方には手の届かない工法になってしまいました。
これには高気密高断熱住宅を追求した結果にも原因があります。気密性を高めることで、無垢材の収縮変形を起こしやすくするため、どうしても変形の少ない集成材や合板類による施工にならざる得ない面があります。
快適空間を追求し断熱効果を高めた結果このような形態に業界全体が流れて行ってしまったてこのような事態になってしまいました。断熱性能を高めることと気密性を高めることは相関関係にあります。快適性イコールあまり健康的ではないつくり?……。この矛盾を克服する住まいづくりが今後の課題になるのではないかと思います。
計画換気をきちんとすれば快適空間とカビダニなどの繁殖をおさえた健康が手に入る。そうかもしれませんが、気密性も新築時より年月とともに劣化しますし、空調設備も壊れてきたり機能が衰えたりするものです。当然維持費ランニングコストはかなりなものです。十数年前に高気密高断熱住宅と共に流行った蓄熱式暖房機は現在使う人もなく実際販売しているのですかね……。
リフォームをお考えでしたら、無理に躯体を高気密高断熱の方向に計画せず、耐震性の向上は必要ですが、単にクロスの張替えとかではなく珪藻土塗りや、杉板の腰壁などに挑戦してみましょう。自然無垢材は年月とともに味わい深く変わるものですから……。